たらこ
たらこのおにぎりがおやつに
出たときがありました。
でも、たらこが苦手な子も
いるんです。
おとなしいお子さんで、「嫌い」が
言えなくて、とった行動に驚きました。
保育士が気づかない間に、ズボンの
ポケットに入れたのです。
もちろん、お母さんもそのことは
知らなかったので、洗濯をしたときに
大変なことになったそうです。
次の日、「苦手なものは、先生に言っていいんだよ。」
と話すと、「たらこのつぶつぶが嫌い。」と
小さな声で、そっと、教えてくれました。
それからは、少しずつ、苦手な物や嫌なことを
教えてくれるようになりました。
大人でもそうですが、人に自分のことを
話すのが、苦手な人もいます。
ましてや子どもの場合、どうしたら良いか
わからず、困っている子がいるかもしれません。
そういう子にこそ、目を向けられる保育士でいたいと
いつも思います。
今でも、たらこを見るたびに、その子のことを
思い出します。