カツオ君
若いころ、夏の土曜日保育に
園長先生がご自分のお孫さんを
連れてきたことがあります。
当時、4歳くらいだったと
思うのですが、「お名前教えて?」
と、聞くと「○○カツオです。」
「へっ?」と思い、もう一度聞くと
やっぱり、カツオって言うんです。
今どき、珍しい名前だな・・・と
思いながらも、本人が「カツオ」と
言うので、私は「カツオ君」と
呼んでいました。
しばらくして、園長先生が自分の仕事を終え、
帰る時に、私が「カツオ君、バイバーイ!」
と言っているのを聞き、「カツオって誰?」
「やだな~、園長先生のお孫さんですよ。」
と答えると、「カツオじゃないよ。」
「えっ!お名前を聞いたら、自分でカツオって
名乗ったんですけど。」
「この子ね、サザエさんが好きなの。で、
ときどき、勝手に自分の名前付けちゃうのよね。」
約半日、私はカツオ君だと思い込んでいたよ。
いくら、サザエさんが好きだからって
カツオなんて自分から名乗ります?
もう、笑いが止まりませんでした。
でも、その数年後、我が子も自分の名前の
ひらがなが書きにくかったようで、わずかに
書けるのが、「し」「と」「き」
お風呂の鏡にその字を書きながら、
「名前、としきにしようかな?」
いやいや、勝手に変えられないから。
我が子を見て、カツオ君のことを思い出しました。