忘れられない指輪
年長組の担任を初めてしたのは、
24歳の頃でした。
元気な子供たちと歌やお話を作ったり、
忙しいけれど、楽しい日々でした。
そんなある日、ちょっとやんちゃな男の子が
いつもどおり、お母さんと登園して来ました。
でも、何だかモジモジして、なかなか私のところに
来ません。
するとお母さんが「男だったらシャンとしなさい!」
(何だろう?)と思っていると、
「先生、あげる。」
小さなビニール袋の中には、指輪が入っていました。
お母さんいわく、「昨日、スーパーに行ったら
500円で指輪を売っていました。
すると息子が、欲しそうにしていたんです。
ママにくれるのかと思い買ってあげたら
先生用だったんです。」
今でも私の大切な宝物です。